耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道科 医療法人社団くまいクリニック

花粉が飛ぶ春がやってくる その2


花粉症の患者さんが、花粉飛散時期をうまく乗り切る方法についてお話します。季節前にできる治療は抗アレルギー剤を2から4週間服用する方法と鼻粘膜を炭酸ガスレーザーで灼く方法があり、前回までにお話しました。シラカンバの花粉は根雪が解ける前には飛散しないことを過去15年に渡る我々の研究結果が示しています。つまり予防的治療は雪が残っているころから始めると効果が上がるのです。今年は雪解けが早く、花粉も早く飛ぶことが予想されます。それでは、花粉が実際に飛び出したらどうすれば良いでしょう。もちろん、症状を抑さえる治療には来ていただきますが、患者さん自身ができることをいくつかお話します。まず、第一に花粉と遭遇しないこと。花粉飛散時期には違う場所に移動したり(転地)、外出を控えたりします。現実的には無理ですので、実際に外出するときは、眼鏡(素通し、サングラスなど)やマスク(花粉用マスクなど)を装用して、眼・鼻に入る花粉を出きるだけ避けることに努力します。マスクは内側を少し濡らすと効果的です。雨の日には花粉も下に落ちますので、比較的吸うこともなく快適です。かぜの強い日や木がたくさん生えている所(例えばゴルフ場など)への外出は控えた方がよろしいでしょう。外出から帰ったときは、できるだけ花粉を家の中に入れないような努力が必要となります。外で着ていた衣類は脱いで、シャワーを浴び、頭、顔、眼、身体を清潔にしましょう。家の中でも症状がひどいときは、掃除をきちんとして、シャワーの後に対症療法をすると良いようです。窓を開けるのも雨の日が良いと言われています。また、布団、カーテン、縫いぐるみ、絨緞などに花粉が吸着されやすいので、できるだけいつも洗濯をして清潔に保つようにしてください。第二に対症療法ですが、免疫能を保存しつつ、花粉に対する症状を抑さえることにありますから、患者さんにあった薬を選択し、できるだけ少ない量で最大の効果をもたらすようにしています。花粉飛散前からの治療は、まだ間に合いますので、忘れていた方もできるだけ早くいらして下さい。ひとりでも多くの患者さんが花粉飛散の季節を最小限の治療で健やかに過ごすことができるようにお手伝いするのが私の使命です。

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